犬を健康に育てるためには、定期的なワクチン接種が欠かせません。特に子犬の時期は、免疫力が低いため、さまざまな感染症にかかりやすいです。今回は、犬に必要なワクチンの種類と、その接種スケジュールについて詳しく説明します。
ワクチンは、犬が重篤な病気にかかるリスクを大幅に減らすための重要な手段です。これらの病気は命に関わるものも多く、犬だけでなく人間にも感染することがあります。さらに、狂犬病ワクチンは法律で義務付けられており、飼い主としての責任です。
まずは、犬が生涯にわたって必要とするワクチンの種類について見ていきましょう。
混合ワクチンは、以下の4つの主要な病気を予防します:
犬ジステンパー(Distemper): 高熱や呼吸器症状、神経症状を引き起こすウイルス性の病気。
犬伝染性肝炎(Hepatitis): 肝臓にダメージを与える病気で、重篤な場合は命に関わることも。
犬パルボウイルス感染症(Parvovirus): 激しい嘔吐や下痢を引き起こし、特に子犬にとって致命的な病気。
パラインフルエンザ(Parainfluenza): ケンネルコフ(犬の風邪)を引き起こすウイルス。
混合ワクチンは、これらの病気に対して非常に効果的で、子犬の時期から定期的に接種することが推奨されています。
狂犬病は、人間にも感染する致命的なウイルス病です。日本では法律で、年に1回の接種が義務付けられています。狂犬病は一度感染すると治療が非常に難しく、早期の予防が重要です。
レプトスピラ症は、主に野生動物や汚染された水を介して犬に感染する病気です。犬だけでなく、人間にも感染することがあります。アウトドアに頻繁に行く犬や、自然の多い地域に住んでいる場合、このワクチンの接種が推奨されます。
ボルデテラ菌は、犬にケンネルコフを引き起こす原因菌の一つです。特にドッグランやペットホテルなど、犬が多く集まる場所に行く犬には、このワクチンが推奨されます。集団生活をする犬にとっては重要なワクチンです。
ワクチン接種は、特に子犬の時期に集中して行われ、その後も定期的に追加接種(ブースター)が必要です。以下が、一般的な接種スケジュールの例です。
生後6〜8週目: 最初の混合ワクチン(DHPP)
生後10〜12週目: 2回目の混合ワクチン
生後14〜16週目: 3回目の混合ワクチンと狂犬病ワクチン
この時期は、母犬から受け継いだ免疫が弱まるため、複数回の接種が必要になります。混合ワクチンは、通常3〜4週間おきに3回接種するのが一般的です。
1歳以降: 1年に1回、混合ワクチンと狂犬病ワクチンを追加接種
成犬になると、ワクチンの効果が長く持続するため、年に1回の追加接種で十分です。狂犬病ワクチンは法律で義務付けられているため、必ず接種を行いましょう。
ワクチン接種後は、犬が少し疲れたり、軽い副反応(腫れや食欲減退など)が見られることがあります。通常、数日で治まりますが、もし重篤な反応が見られる場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。